削減対象は比例「新興政党が戦えなくなる」

井上キャスター:
2024年 衆議院選挙の各党の獲得議席をみると、比例区での当選が多かったのは公明、共産、国民、れいわ、参政党です。

今、話し合いをしている自民と維新は、比例の比重はそこまで大きくありません。交渉している当事者同士はあまりダメージがないものを、自民と維新だけで話を進めても良いのかという声が出てきているわけです。

これについて新興政党などからは「新しい声がなかなか国会に届きづらくなる」「不公平だ」という声も出ています。

参政党 神谷代表(17日 公式Xより)
「現行制度で比例の人数を削減するのは猛烈に反対です。新興政党が衆議院議員選挙で戦えなくなる」

肉乃小路ニクヨさん:
小選挙区制では、選挙区で負けた票が全て無駄になってしまいます。それを救うために比例代表制があり、少数政党はそれを頼りに全国的に票を集めているというのもあります。そのため定数削減が実現すると少数政党の意見を聞くことができなくなるのではないかと思います。

さらに日本の政治は多党化していって、どう連立を組むかという流れになるのではないかと言われていましたが、その流れをまた急に戻してしまうのかなと気になっています。

井上キャスター:
“身を切る改革”は絶対避けられない重要なことだと思います。しかし
選挙制度を変えるのであればもう少し全体の話をしなければいけないと思います。「議員定数の削減対象は比例だけ」というのはひずみが出てきてしまうと思います。

肉乃小路ニクヨさん:
バランスを取った上での比例代表制になっているんですよね。結果、多党化でいろいろな人の声が反映されやすくなっているという側面もあるので、(定数削減で)反映しにくくなるのは心配ですね。

確かに比例復活はちょっと解せないですが、比例だけでいいのかとか、小選挙区制から昔の中選挙区制に戻した方がいいという話もありますよね。ただ、中選挙区制はお金がかかるからやめたという経緯もあるので、比例だけではなく、選挙区の区割りも考えながら丁寧に改革を行った方がいいのではないでしょうか。