■取材した記者が語る不正の構造とは

小川キャスター:
取材を行った村瀬キャスターに聞きます。今回の補助金不正受給の最大の問題点はどこにあるのでしょうか?

村瀬キャスター:
この制度は、ほぼ誰でも参加することができるんです。つまり、偽物の個人事業主であったり、偽物のIT専門家であったりしても、補助金を申請することができてしまうんです。

小川キャスター:
この制度の基準を厳しくするなどの対応を国は行っているんですか?

村瀬キャスター:
国に取材したところ、不正の疑いのある事案が複数確認されているということで、これまでは写真撮影だけだったんですけれども、今は動画撮影も条件とするなどルールの厳格化を行ったということです。ですので、このような不正の手口は現時点ではもう行えなくなっています。ただ、過去にこの手口でどれくらいの不正が行われたかというのはわかっていないんです。

小川キャスター:
コロナ禍に大変な思いをされている方が非常に多くいらっしゃる一方で、こうした大規模な補助金の不正が公然と行われていたということになりますけれども、組織的な構造はどうなっているんでしょうか?

村瀬キャスター:
先生役や生徒役の上には参加者を指南する「運営役」と呼ばれる人たちが何人かいるんですけれども、さらにその上に「サポート」と呼ばれる組織があることも分かってきているんです。だまし取った金のうち参加者に配られる金はわずかで、そのほとんどが上部組織に上納されるシステムになっているんです。
私たちはこの上部組織の調査を現在も続けていまして、「サポート」と呼ばれる組織の輪郭も段々わかってきていますので、その成果については後日改めてお伝えしたいと思います。