万博「だけ」がもうかった?

 もう1つの課題として、関西全体がもうかったかという点を見ていきます。

 稲田氏によれば、万博「だけ」がもうかったというデータも一部あるようです。例えば、万博のエリア別来場者(博覧会協会資料より)は、国内が93.9%、海外が6.1%で、なおかつ国内の67.1%が近畿圏の人でした。

 さらに、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、人口1万人あたりの来場数が1万人を超えたのは2府県4で大阪府だけでした。
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 大阪には万博の恩恵があったのかと思いきや、開幕後3か月間(4~6月)の百貨店・スーパーなどの売り上げの前年同期比を見てみると、関西全体でマイナス2.1%、大阪でマイナス2.5%となっています。

 さらにもう1つの課題です。この勢いを今後つなげられるかという点を見ていきます。
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 全国での関西の経済シェアをみると、1970年大阪万博をピークに右肩下がりに下がっていて、万博の「その後」をうまく活用できていないことがわかります。今回の万博の勢いを経済にどう結びつけられるかが大切だということです。