女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝(11月23日・宮城県開催)の予選会であるプリンセス駅伝 in 宗像・福津が10月19日、福岡県宗像市を発着点とする6区間42.195kmのコースに31チームが参加して行われる。上位16チームにクイーンズ駅伝出場権が与えられる。
天満屋はマラソン日本記録保持者の前田穂南(29)が、2年ぶりに駅伝に登場する。24年1月の大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒の日本新をマークしたが、同年8月のパリ五輪は大腿骨の疲労骨折が現地入りしてから判明。無念の欠場を余儀なくされた。本格的な練習再開まで5カ月を要したが、今年9月のベルリン・マラソンで1年8カ月ぶりのマラソンに出場した(2時間24分36秒で9位)。復帰戦としては合格点だったが、今後は自身の日本記録更新や、さらに上のタイムを目指していく。そのためにも駅伝を活用してスピードを強化する。
「良い形でスタート」ができたベルリン・マラソン
ベルリン・マラソンは2時間24分36秒で9位。故障明けのレースとしては、悪い結果ではなかった。「涼しくなることを想定していましたが、暑い気象コンディションでした」と前田。2時間22~23分を目標に、中間点は1時間10分14秒と想定よりも速く通過した。「暑さにもやられて後半、かなり疲れが出てしまいました」。後半のハーフは1時間14分22秒にペースダウンした。
だが前田の走りは最後に、少し持ち直している。20kmまでの5km毎16分34~45秒のスピードから、25kmまでは17分26秒、30kmまでは17分49秒とペースダウンしたが、35kmまでは17分43秒、40kmまでは17分33秒と踏みとどまった。最後の2.195kmは5km換算17分07秒までペースを上げてフィニッシュしている。
「記録はもっと行きたかったのですが、途中から脱水症状気味になっても動かすことができました。最後までしっかり粘ることができ、良い形でスタートができたと思います」。
今後は「記録に挑戦したい気持ちがある」という。ロサンゼルス五輪の代表を獲得する1つの道である、MGCファストパス(2時間16分59秒以内のタイム)も視野に入れる。山口衛里監督はマラソンの目標タイムから逆算して、ハーフマラソンを「1時間6~7分台で走っておきたい」という。
「そのためには筋力をつけないと。今までは軽さで走ってきましたが、厚底シューズで反発をもらうには、ある程度の筋力や体重も必要です。体重は以前より2~3kg増やしてベルリンを走りましたし、駅伝もそうなります」。
プリンセス駅伝の前田は、新しい走りに挑戦しているまっただ中ということになる。