ノーベル賞の授賞式に出席するためスウェーデンを訪れている坂口志文さんと北川進さんが、ストックホルムにあるノーベル博物館を訪問し、椅子の裏へサインする恒例行事に参加しました。

これは10日の授賞式を前に受賞者たちが初めて一堂に会して行われる恒例のイベントで、坂口さんと北川さんもノーベル博物館のカフェで使われている椅子の裏にサインをしました。

記者
「さっそくノーベル博物館の中央に坂口教授と北川教授がサインした椅子が展示されました」

受賞者たちは研究に関する品物を博物館に寄贈するのが習わしです。

坂口さんは、「制御性T細胞」を擬人化したキャラクターが登場する漫画「はたらく細胞」の英語版や、去年亡くなった母・淑子さんが作ったねずみの置物を、北川さんは、「金属有機構造体」の材料などを寄贈しました。

記者
「いま坂口さんが姿を見せました。共に選ばれたアメリカの研究者らと会見に臨みます」

ノーベル生理学・医学賞 坂口志文さん
「制御性T細胞を基盤とした様々な免疫疾患への治療や移植医療、あるいは、がんの治療法がいつか臨床で現実のものとなることを期待しています」

また、坂口さんはこの日、記者会見を行ったほか、日本メディアの取材にも応じ、若手研究者への思いを語りました。

ノーベル生理学・医学賞 坂口志文さん
「親方日の丸で政府に頼るだけではなく、もう少し積極的に若い人がなってほしい、あるいはもう少し野心的になってほしい。留学する人もだんだん今少なくなっている状況なので、若い人にそこらへんを望みたい」