その時届いた SNSのメッセージ…「宝探し」が始まった
あきらめかけたその日、SNSにメッセージが届いた。関西に住む女性・寺川さん(仮名)からだった。たまたまThreadsの投稿が目に入ったという。
「娘が住むオーストラリアに近々行きます。もし売っているお店を教えて頂ければお役に立てるかもしれません。」
ためらう気持ちもあったが、ほかに手はない。
最後の希望を寺川さんに託した。「本当にすみません。厚かましいですがよろしくお願いします」
シドニー国際空港の土産店で出会ったことや、メーカー名を伝えた。
寺川さんは「めっちゃ優しい人」だった。
オーストラリアに到着した後も、メールで逐一連絡をくれた。

「いまシドニーに到着しました。空港には見当たらないけど、まだ探すので安心してください」
「街の土産物店に行きました。似たような子はいますが、ちょっとうーん…という感じです。もし見つからなければこれでも買ってかえりましょうか?」

しおりさんは、心強く思うと同時に「こんなに探してくれて、家族の時間を奪って申し訳ない」と感じたという。それを伝えると、また気遣った返事をくれた。
「宝探しで更に楽しい旅になってます!もし無くしたコアちゃんが戻ってきたら、こっちで見つけたコアラを私が記念としてお迎えします。これも探す楽しみのひとつになります。息子や娘も楽しく探しています」
コアちゃんが行方不明になってから、初めて温かい涙がにじんだ。