「大した研究費もつかず1人コツコツ」1979年から始まった研究の道のり

―――坂口教授が制御性T細胞の研究を始められたのが1979年。そこから50年近く経っての受賞となりました。
60年代の終わり頃にT細胞が見つかって、70年代にいろんなタイプのT細胞が見つかってきたんです。その中で、“抑制するタイプ”の細胞があると(坂口教授は)主張されたのですが、なかなか信用されませんでした。
80年代には、自分を攻撃する悪い細胞は胸腺でできる途中で殺されてしまうんだという主張があり、それで世界中の人がみんな納得してしまったんですね。研究者も「それでいいじゃないか」と。
ところが、坂口先生は「胸腺から出てから、体の中で抑制する細胞があるはずだ」と、必死になって探し続けられました。
そして、1995年に初めて、十分に分離できる良いマーカーを見つけられたんです。そこまでで25年以上かかっているわけです。
その間、あまり周りには相手にされず、アメリカでずっと研究されていました。大した研究費も使わずに、1人でコツコツと。やっぱりそれはすごいと思います。














