「こんな大事なものに誰も気づかなかった」制御性T細胞とは?

―――改めて、制御性T細胞とは何でしょうか?

 人間の体にはウイルス・細菌を攻撃する免疫細胞がありますが、この中には、正常な細胞まで攻撃してしまう細胞があります。

 この正常な細胞への攻撃を防ぐのが、制御性T細胞なんです。坂口教授はこの“ブレーキ役”の存在を突き詰めたというわけです。

 正常な細胞を攻撃する細胞って、結構多いんですよ。誰の体にもいます。(制御性T細胞は)それを普段から抑えているんです。病気になったときに出てくるのではない。

 だから、制御性T細胞を取り除くと、マウスでも人間でもあっという間に死んでしまいます。こんな大事なものに、世の中の誰もが気づかなかった。