新政権に求められる「経済対策」

では、新政権の経済政策はどこが焦点になるのだろうか?

▼消費税減税▼給付金▼ガソリン減税▼年収の壁▼コメ価格▼電気ガス補助▼賃上げ促進▼トランプ関税対策

『ニッセイ基礎研究所』エグゼクティブ・フェロー 矢嶋康次さん:
「大きくは物価対策とトランプ関税の対応になると思うが、トランプ関税の影響はまだほとんど出ていないので、当初よりも補正予算の金額は落ちてくると思う。そうすると物価高対策がメインだが、年内に動きそうなのはガソリン減税だけ。野党は11月にもと言うが、恐らく今の日程だと難しい。年内やっとという感じだろう」

――高市さんは以前「食品の消費税減税」と言っていたから、この辺も総裁選で侃々諤々の議論をすればもう少し盛り上がったと思うが…。野党との連立や閣外協力によっても、テーマはだいぶ変わってくるのか?

矢嶋さん:
「方向性という意味で、おそらく自民党が手を結ぶ可能性があるのが日本維新の会と国民民主と言われている。維新が強く主張しているのが社会保険料の引き下げで、国民民主は年収の壁、所得税の改革。同じ“負担を減らす”話だが、改革の中身が変わってくるので、それに付随するいろいろなテーマは、どっちと組むかによって変わってくると思う」

――社会保険料の引き下げも、いざやるとなると大変?

矢嶋さん:
「維新の言う方向性は、みんな賛成するとは思う。ただ、どれくらい引き下げるかの金額によってやらなきゃいけない改革の量が変わる。それによって影響がかなり大きく市場に出てくるので、連立を組むときに、どれくらいの金額になるかというのを多分マーケットが織り込みに行くのではないか」

「賃上げ継続」のために新政権がすべきこと

新政権が、賃上げ路線を継続できるかどうかも一つの試金石だ。

【春闘賃上げ率】
▼全体⇒【2023年3.58%】【24年5.10%】【25年5.25%】
▼中小組合⇒【23年3.23%】【24年4.45%】【25年4.65%】
※連合 7月1日時点 第7回回答集計より

『ニッセイ基礎研究所』エグゼクティブ・フェロー 矢嶋康次さん:
「今、企業の収益はいいので、賃上げをする体力はある。なので、“賃上げをさせない理由を作らせてはいけない”。例えば、企業の収益で多分一番大きい外部環境の<為替>が大きく振れないような政策をどうやるかということ。あとは金融市場などいろんなところから“経営者に目線を非常に強く見せる”ことで、『やれるんだからやってくださいよ』という流れに持ってかないといけない」

(BS-TBS『Bizスクエア』 2025年10月4日放送より)