10月下旬にも利上げか…?そんな憶測も飛び交っていた中、自民党の新総裁が決まった。新しく誕生する政権に、今求められる財政・金融政策とは?
「早期利上げ」?日銀委員が注目発言
自民党総裁選が終盤を迎えた週、住宅ローンなど私たちの生活にも影響がある「日銀の利上げ」の可能性について、“ある発言”が注目された。
発言の主は、日本銀行の野口旭審議委員。

金融政策を決める委員の中では“利上げに慎重”と見られている人物だが、9月29日の講演で、「2%の『物価安定の目標』達成は着実に近づいている。それは政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつあることを意味している」と述べたのだ。
この発言に、早期の利上げ観測も出ていて、金融・財政政策が専門の矢嶋さんも利上げの声が大きくなっていると話す。

『ニッセイ基礎研究所』エグゼクティブ・フェロー 矢嶋康次さん:
「日銀の政策委員9人の中で、恐らくもう利上げが多数派になってきている。問題は時期をいつにするか、そういう段階になっていると思う」
つまり、植田総裁はじめ執行部3人が決断すれば利上げが決まる情勢だというが、大阪で講演した植田総裁は-

『日本銀行』植田和男総裁(3日):
「景気は一部弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」
そして、今後の金融政策については「見通しが実現していけば引き続き政策金利を引き上げる」としながらも、一方で「上振れ・下振れ双方向のリスクを丹念に点検し、予断を持たずに適切に政策を判断していく」とした。
利上げするのかしないのか、どちらとも取れる発言だが…

矢嶋さん
「ここ数週間で市場は、日銀の10月12月1月の3会合のどこかで100%利上げがあると見ているので、そういう意味では市場に対しての織り込みはもう終わっている。なので問題は3会合のどこでやるかというタイミング。それから、トランプ関税の影響が秋に強く出るだろうと思っていたところが、経済統計を見ると『どこに出ている?』というぐらい“経済が強い”というのが、日銀の前倒しの観測につながっていると思う」