「出勤偽装会社」高まる需要
若者の失業者が増える中、6月に北京に登場したのが「出勤偽装会社」だ。

平日の午前中、デスクが並ぶフロアで数人の若者がパソコンに向かって作業をしている。一見よくあるオフィスの風景だが、彼らは“失業者”だ。

利用者の女性:
「SNSで出勤するふりができる場所があると知り、面白そうだと思って」
施設の使用料は昼食付で、1日約1000円。
希望する人には偽物の「在職証明書」や「給与明細」を発行するサービスもあり、周囲に失業していることを知られたくない人や、失業中でも人とのつながりを求める人で需要が増えているという。
高級ホテルが「屋台販売」
景気低迷で利用者が減少しているのが、中国のホテル業界だ。

売上げを少しでも確保するため、ヒルトンやマリオットといった高級ホテルが「屋台での総菜販売」をホテルの前で始め、肉まん1個約40円など、ホテル品質を手頃な価格で販売してる。
「倹約令」によるパーティー需要の減少に加え、「反スパイ法」強化の影響も大きいと話すのは、中国経済に詳しい柯隆さんだ。

『東京財団』主席研究員 柯隆さん:
「反スパイ法によって外国人ビジネスマンが中国に行かない。怖いから。だから利用者が大きく減って、一時しのぎとして惣菜を売る。ただ、肉まんを何億個売っても間に合わない。外資系の五つ星ホテルは、このままだと撤退せざるを得ないと思う」