「小さな水族館」ならでは?
シードーナツの敷地面積は約2800㎡と、全国的に見ても小規模な水族館。飼育・展示している生物の多くは、スタッフ自ら捕獲したものや、地域の漁師などが善意で分けてくれたものです。
日常的に漁業関係者と連絡を取り合う関係性が、料理や食の経験を積むきっかけにも繋がります。
なので、時にはこんなことも。
山中さん「漁師さんに『展示用のアナゴが欲しい』とお願いしたつもりが、言葉足らずで『アナゴが食べたい』と伝わってしまって。頂いた食材用のアナゴが生き返ることは、残念ながら無いので、家で何十匹と捌いて一週間くらい朝晩ずっとアナゴを食べていました」
その結果完成したのが、先ほどの「ご飯が進む」解説版だったのです。

実は、イルカトレーナーを目指して専門学校を卒業した山中さん。しかしその探求心を見込まれて現在の配属先に決まってからは、今まで知らなかった魚のことや、描いたことがなかったイラストを学び、好きな「食」と掛け合わせることで現在の展示を作り上げてきました。
山中さん「実際に『書いてあった方法で食べてみました』と言われたことがあります。ああ、それは良かったな。レシピを書いた甲斐があったなと思いました」