■国民幹部は不快感
この懇談会に、立憲民主党はおおよそ好意的だ。ある議員は「ここから統一名簿につながらないだろうか」との期待感を示した。一方、立民との共闘に距離を置く国民民主党幹部は「合流なんて、ありえない。立民と合流したいと思っている議員なんて、うちの組織内議員にはいない」と突き放す。永田町では、この動きが野党合流につながると見る向きは少ない。連合OBも、この懇談会が政局につながる可能性は「立民側の願望だ」と冷静な見方だ。
ただ、組織内議員たちは「連合内の融和という、切なる願いが叶えられれば良い」との意見では同じ考えでいる。
■そして連合の芳野会長は・・・
連合はこの懇談会について、表向き「本当に議員が自分たちで開いた会。私たちは関係ない」との姿勢だ。そして、2月17日の芳野会長は多忙だった。連合の中央執行委員会で参院選方針を決め、記者会見で「自民党との連携は」と問われ、「ありません」と即答した。直後にこの懇談会の設立総会で「胸が非常に熱くなっております」と挨拶し、その足である会合のため、都内の日本料理店へと向かった。
相手は自民党の小渕優子・組織運動本部長。連合は芳野会長と小渕氏との会合を認めた上で「連合の窓口である組織運動本部長との不定期な懇談です」とコメントした。連合幹部は「岸田政権になって、小渕さんが窓口のトップになったから、その顔合わせだ。何もやましいことはない」と強調する。だがJNNが報じた直後、立民の複数の議員から「あの設立総会の直後とは。ひどい」「立憲と国民と連携したいって言った直後に、考えられない」などの声が挙がった。
芳野会長をめぐっては、野党共闘をめぐる発言が度々話題となり、立民側からは批判も絶えない。今回の会合は火に油を注いだと言ってもよいタイミングだった。
一方の自民党は、今年の運動方針の原案をまとめたと報じられた。「連合など労働組合との政策懇談を積極的に進める」と明記し、連合との関係構築に積極的に取り組むという。
連合をめぐる様々な動き。果たしてその行方は。
TBSテレビ政治部 野党担当