実現の秘訣は教員・生徒の一体感

生徒会大賞を受賞し笑顔 (提供:一般社団法人 生徒会活動支援協会)

大城さんに、時間割の改善を実現できた理由について聞いた。

「まず学校の雰囲気が良かったのかな、と思います。先生から生徒への信頼。顧問の松元先生が一緒に伴走してくれたのもあるし、先生たちも “生徒・子どもの意見” ではなく、ちゃんと一つの提案として話を聞いてくれて、対等に接してくれたからこそスムーズにできました」

「褒められるのが楽しくて。『愛夏やるじゃん! 』って言われるのが嬉しかったです。なにか一つ大きいことを達成したいという目的意識を持ってやっていたので、続けられました」

生徒会顧問・松元輝先生

粘り強く取り組んだ大城さんの姿は、顧問の松元先生からはどう見えていたのか。

生徒会顧問・松元輝先生:
「すごい! の一言でした。企画書を書かせても高校生のレベルを超えていて。普段から頑張っているので、ほかの先生方も『やりたいことをどんどんさせてあげよう』とサポートする雰囲気がありました」

夢は教育行政に関わること

生徒会活動を経て、大城さんは選挙や行政にも関心を持つようになった。大城さんは誕生日を迎えて18歳となり、2025年8月の石垣市長選で初めて選挙権を得た。

「投票できることが嬉しくてワクワクしています。大人になった感じがしますね。7月の参院選も若者の投票率が上がって盛り上がったと思うんですけど、もっと若者の関心を高めたい、みんなが納得できる政治、国にしたいなと思います」

将来は教育行政に携わり、教育格差や教員の働き方の改善に取り組みたいと話す。

「沖縄の離島で暮らしていて、地方と都市の格差を感じています。今大会で東京に行った時も “経験格差” を実感した」

大城さんたち生徒が勝ち取ったのは「たった5分」かもしれない。だが、生徒が主体となってルールを変えた経験そのものが、得難い収穫だったと言えるだろう。