GDP1.0%成長も「不安要素」あり

そしてもう一つ、日経平均株価を押し上げた要因の一つが「4-6月期のGDP成長率」が民間の予測大きく上回り年率+1%となったこと。熊野さんは「エコノミストの立場から見るとこの数字には“疑惑”がある」と指摘する。

【4-6月期 実質GDP成長率】(速報値・15日内閣府発表)
▼前期比・年率 +1.0%
<内訳>
▼個人消費⇒前期比+0.2%
▼設備投資⇒+1.3%
▼輸出⇒+2.0%

『第一生命経済研究所』首席エコノミスト 熊野英生さん
「GDPはそんなに伸びているの?という話で、それは内訳を見ればわかる。項目3つの中で一番伸びてるのは輸出で、ここが疑惑の根源。どうも自動車が、トランプ関税の導入と同時に20%以上価格を下げて輸出を増やしたと。だからGDPベースも2%伸びたという数字。今後はそんな値下げはできないので、7-9月期からはこういう高い伸びは期待しにくい」

また、『SMBC信託銀行』の山口さんも気がかりな点があると話す。

『SMBC信託銀行』チーフマーケットアナリスト 山口真弘さん
「輸出増加がプラスに寄与しているのに対して、実需というか実態を示す“個人消費があまり強くない”というところがネガティブな要因かと思う」