被爆から80年、長崎で新たなかたちで平和を発信する取り組みが始まっています。
被爆樹木の息づかいを「見て、聞いて、嗅いで」と五感で感じ、平和について考えてもらうきっかけを作るプロジェクトです。
被爆クスノキは何を語る?

爆心地から約800メートルの場所にある山王神社には、2本の大きなクスノキがあります。1945年8月9日、原爆によって枝や葉が吹き飛ばされ、黒焦げになりながらも生き延びました。


被爆当時 山王神社近くに住んでいた山田砂智代さんの証言(1975年)「山王神社がクスノキなんかいっぱいあったわけなんですね。弟たちは結局そこに蝉とりに行ってたやろうって言って、父と一緒にですね、なんか靴でも残ってないやろかと言って探しましたけど、もう影も形も全然ないわけなんですよね」

被爆の惨状を目の当たりにした大クスー。
九州産業大学の伊藤敬生教授は、もし彼らが言葉を持っていたら何を語るだろうかと思いを馳せます。

九州産業大学 芸術学部 ソーシャルデザイン学科 伊藤 敬生 教授(62)「彼らが本当に言葉を持ったら何 語り出すんだろう? 会話はできないけれども、会話するぐらいの気持ちで一緒になれることができたら、とても何か僕らの中にも新たな何かが芽生えるんじゃないかなっていう気がするんですよね」