「やっぱり飛びつくのは給付、でも…」共働きでも直面する困窮

沖縄県内に住む30代の女性は、夫と4歳の娘との3人暮らしだ。

共働きだったが、夫が育児ノイローゼで入院。出産後2か月で職場復帰し、家計を支えることになった。しかし、夫の看病などで働く時間が削られていった。

共働き世帯の女性(30代)
「(給料が)19万だったのが16万、13万、12万って下がっていく。本当にきついなって、情けなかった」

母乳が出にくくなる一方で、ミルクを買うお金もなくなったという。

――ミルクを薄めたことはありますか?
「子供に影響があると思ってたので、極力したくなかった。どうにか頑張ってました、薄めずに。でも1、2回ぐらい(薄めた)。本当に苦しくて相談したら、今でも覚えてる。夜7時ぐらいにバイクに乗って(ミルクを)届けてくれて」

女性にミルクを届けたのが、支援団体「共育ステーション つむぎ」の髙良久美子代表。

行政などにミルクが買えないと相談しても、つれない対応をされるケースも多いという。

共育ステーションつむぎ 髙良久美子 代表
「お母さんたちが相談に行って、すぐに言われるのが、『なんでその状態で赤ちゃん産んだの?』とお母さんを責めることが最初なんです。『なんで産んだの?』って言われたら、それだけでヘルプが出せなくなります。私が当事者なら、耐えられないと思います」

困窮のため、粉ミルクを薄めて飲ませざるを得ず、栄養失調になる乳児も見てきたという。

共育ステーションつむぎ 髙良久美子 代表
「『実は母乳が出ないんです』とか、メンタルを病んで、薬のために(医者に)授乳を止められた方もいる。失業とか病気とか、旦那さんが出て行ってしまったとか。自立ができる、まだ心が折れる前の方たちを支えたい」

髙良さんの支援で、ミルクを飲むことができた女性の娘。今は洗い物を手伝うなど、すくすくと成長している。

その後、夫も再就職し収入も安定しかけていた。しかし、2025年に入って夫の交通事故や、自身も急病で手術するなど不運が重なった。

そこに、物価高が重くのしかかる。

共働き世帯の女性(30代)
「野菜も高くなっているので、半額になっているものを買って冷凍したり。ゴーヤも最近上がってる」

工夫しながら、日々を過ごすが…

共働き世帯の女性(30代)
「自分にかけるものは、我慢するようになりました。下着も1年に1回買い足すかなぐらいで。これを買うぐらいだったら、子供にもっといいもの食べさせたい、旦那にいいもの食べてもらって英気養ってほしいって、頭にどうしても思い浮かんじゃう」

参院選で争点となった物価高対策については。

共働き世帯の女性(30代)
「やっぱり飛びつくのは、目につきやすい給付だと思うけど、その時はちょっと助かる。新しい洋服が買える、子供の衣類買ってあげられる、ちょっとお肉をぜいたくできるって考えるけど、それって限りあるものだし…」