“石破おろし”も時間の問題か 選挙3連敗の石破総理だが続投を表明

山形キャスター:
石破総理の進退について見ていきます。
目標の過半数ラインだった50議席に、今回届かなかったということですが、7月21日、石破総理は会見で「いま最も大切なことは国政に停滞を招かないこと。引き続き、公明党と連携して、政権運営にあたっていきたい」とし、“続投の考え”を示しています。

ただ、2024年10月に石破政権が発足してから、選挙に3連敗しています。

▼2024年10月・衆議院選挙
15年ぶり過半数割れ 大敗

▼2025年6月・都議選
過去最低21議席 大敗

▼2025年7月・参院選
与党で過半数割れ 大敗

これまで、国政選挙で大敗すると総理大臣は“ほぼ辞任”していましたが、石破総理は続投の意思を示しています。

ただ、“石破おろし”の動きも時間の問題という発言もありました。

落選した議員からは「まずは総理が辞任することから始めないと」。党の重鎮からは「潔く辞めてもらわないと、党がバラバラに…」といった声があがっています。

TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんは、「実際には今の状況で総理を買って出る人はいない…」としており、「弱体化した石破総理の続投では『政策が進まない』」という懸念があると話しています。

井上貴博キャスター:
この際、自民党内部の理論はどうでもいいと思っていて、国益にかなうのは何かと考えると、石破総理が大切にしている関税交渉があります。そこに向けて、政治の空白を作りたくないのだと思います。

そう考えると、衆参両院で少数与党になると、アメリカからも足元を見られます。野党からも足元を見られます。そうすると、石破さんが続けること自体が政治の空白を生むのではないかという見方もできるのではないでしょうか。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
簡単な解決法はないです。だからこそ、石破総理は「党派を超えて協議」とおっしゃっていますが、全くその通りなんです。

毎回、政治が難しいと思うのは、党派を超えて本当に協働できるのか。例えば、今回の選挙での減税や給付だという考えも、単なる枝葉の目的であって、その葉をどれだけ一緒に、いろいろな人たちが、さまざまな専門家とともに協働するのかが大事なのに、そこが難しい気がします。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
石破総理も会見の中で、物価高対策も含めて、これからどうするのか。いろいろな声を聞いて、各党で話し合っていきたいと言っていたわけです。

けれども今回の選挙結果を受けて、この状況の石破内閣の話を、野党がすんなり聞いてくれるのか、協力しようという気持ちになってもらえるのかというところにも、最初にハードルとしてありそうですね。

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〈プロフィール〉
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰