医療費免除も打ち切られ慎ましい生活 移住者からは「選挙の蚊帳の外」という声も
大規模な土砂崩れが発生した現場では、泥をかき出す作業が行われていました。
上村キャスター
「だいぶきれいになりましたね」

外浦の未来をつくる会 坂口彩夏さん(26)
「住民の方が自分の家の床下を初めて見て、嬉しかったと言っていた」
坂口彩夏さんは、地震をきっかけに千葉から珠洲市へ移住。現在、ボランティア活動を行っています。
Q.ボランティアの数は足りていますか?
外浦の未来をつくる会 坂口彩夏さん(26)
「いや、だいぶ人が…最初は注目いただいて集まっていたが、最近は少なくなってきて、なかなか作業が思うように進まない」
こうした現状を、参院選の候補者に見てほしい。
しかし、公示から2週間余りが過ぎた今も...

外浦の未来をつくる会 坂口彩夏さん(26)
「前回の選挙のときは、選挙カーが通っていた。今回私が見ていないだけかもしれないが、選挙の蚊帳の外みたいな感じがある。(能登に)来てほしい、見てほしいし、感じてほしいし、どういう状況なのか自分の目で見て考えてほしい」

今も石川県では2万人近くが仮設住宅で生活しています。珠洲市の仮設住宅で暮らす大兼政さん夫婦。

妻・律子さん(78)
「これはね、オクラとかつお節とたまご。オクラも家でなったオクラ」
食卓に並ぶのは、自分の畑で育てた野菜が中心で、コメは支援物資として提供されたものです。2人は年金だけを頼りに、慎ましい生活を送っています。

大兼政忠男さん(77)
「薬とね、お医者さんに生かされとる」
忠男さんは、心臓などに持病があり、10種類以上の薬を服用しています。
しかし、被災者を対象に国が医療費の窓口負担を免除する措置が、6月末で打ち切りとなりました。
大兼政忠男さん(77)
「生きるのやめろっていうことかなと思った。もっと続けて欲しいなと思うけど、いつまでも甘えていられないでしょうね。誰かが負担してるわけだから、そこまでわがままは言えませんけど」

忠男さんは、半壊した自宅に毎日通い、見通しが立たない自宅の再建を夢見ています。

大兼政忠男さん(77)
「やっぱり誠実な、ちゃんと被災者に寄り添うような人じゃないとダメだろうね」