■「民間人殺害に関与した」とするロシア兵の名簿を公開
住民の女性は、ロシア軍が占拠していた間、水も電気もない状態でしたが、外に出ることはできなかったといいます。
ブチャの住民
「ちょうど家の裏に大量の戦車や数えられないぐらいのロシア兵士がいました。彼らはあのときすでに大勢の人を射殺していました」
ウクライナ国営メディアが公開したテレグラムの映像を見ると、自転車らしきものに乗り、道路を移動している人が見えます。画面中央にはロシア軍の戦車が並んでいます。この人物が十字路を曲がると、軍用車両がその方向を攻撃しました。攻撃は何度も繰り返されました。国際的な調査報道機関ベリングキャットは、攻撃があった場所に自転車と遺体があったと指摘しています。
ウクライナ国防省は4日、「民間人殺害に関与した」とするロシア兵およそ1600人の名簿を公開しました。名簿には、氏名、生年月日、階級などが記載されています。
ウクライナ国防省
「市民に対する残虐行為について、全ての戦争犯罪人は裁判にかけられ責任を負わされる」
■「すぐ隣で生活していた人間が恐ろしいことをしている」
ロシア側の“戦争犯罪”を問う声は各国でもあがっています。
アメリカ バイデン大統領
「プーチンは残酷だ。ブチャで起きていることは言語道断でみんなが見ている。彼は戦争犯罪人だ」
自民党 茂木敏充幹事長
「戦争犯罪者と呼んでもいいのではないか」
国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、すでにブチャで調査を始めています。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ調査員
「ここに遺体がありました。鉄板にはいくつも傷がある。庭に入ってきた弾丸の多くはこちらから来たように見える」
来日して25年になるロシア人のビクトリアさん。ロシア軍の行為を受け止めきれないでいます。
記者
「最初見たときどういう風に感じた?」
在日ロシア人 ビクトリアさん
「恐ろしいですね。一言で言うと、見たくはなかった」
ビクトリアさんは、ウクライナの現地メディアが伝える情報も積極的にチェックしていると言います。
在日ロシア人 ビクトリアさん
「残念ながらキエフ(キーフ)近郊で配置されたのは、私たちと同じ極東地方の出身者(兵士)。もしかしたら、すぐ隣で生活していた人間が恐ろしいことをしているんだなという。そういう身近さを感じてしまった」