「社会保障のタダ乗り」「不動産買い占め」は本当か?

「社会保険や生活保護にタダ乗りしているのではないか」というイメージについても聞きました。生活保護は法律上は日本国民を対象とした制度ですが、人道的な配慮から、永住者や定住者など一定の要件を満たす外国籍者にもされています。
いまは約202万人が生活保護を受給して、外国人は6.5万人います。また2019年から外国人の社会保険への加入が必須となるなどしています。イメージで思い込むのではなく、事実を冷静に確認することが重要です。

「外国人に不動産を買い占められて高騰する」というイメージもよく聞かれます。この点について、外国人が日本の不動産をどれくらい購入しているのかをまとめた正確な調査は存在しません。 一部のタワーマンションの調査例では、購入者の数パーセントが外国人だったという結果もありますが、全国的な実態は不明です。むしろ、購入後の固定資産税がきちんと支払われているのか、あるいはマンションの管理組合に参加しないとか、現実的な課題についてルール作りが求められます。
オーバーツーリズムはリアルな課題
旅行者がもたらす問題もあります。特に京都などでは、観光客が急増したことで市民が日常的に利用するバスが満員になったり、静かな住環境が損なわれたりする「オーバーツーリズム」が深刻化しています。柯隆首席研究員は「ある程度の制限はやむを得ないのでは」と述べ、何らかの対策やルール作りが必要な段階に来ていると言えます。