◆今日も一日無事生かして貰った喜び

<藤中松雄が兄に宛てた手紙 1949年9月20日付>※一部現代風に書き換え
又、(婿入り先の)父母上様も同様、どれ程松夫の事を祈り続けられている事でありましょう。それらを思う時、一切の私情を打ち忘れ、唯々、感涙にむせぶばかりです。
一回読み返したが、自分には何を書いたか判断する能力がなく、とんちんかんな事ばかり書いている事でしょうね。兄さん、ではこれにて失礼します。
どうか、みんなお元気にお暮らしください。兄弟妹仲良く、父母上様に孝養の程、お願い致します。忘れて居りましたが、妻や母の便り、兄が仕事帰りに好物といつも菓子など買って下さると、心からお礼致します。どうか今後も宜敷くお願いします。
伯父伯母上様も宜敷く、常々に南無阿彌陀佛の六字の中に生活して行きます。これが兄への最後の便りになると思いますが、最後の言葉として兄へ送ります。
今日も一日 お陰様で生かしていただいた喜びを御佛様に感謝致しましょう。
今日も一日無事生かして貰った喜びは、この松夫も兄も同じではありましょうか。
兄は果たして?
乱筆乱文悪しからず 九月二十日 松夫
兄上様