YouTubeのチャンネル売買 「参院選」が売り出し文句のものも

YouTubeのチャンネルを売却するためには、まず売り手が仲介サイトに情報を登録する必要がある。その後、買い手がチャンネルを購入し、代金を売り手に支払う仕組みだ。

番組が仲介サイト11社を対象に、政治系チャンネルが売り出された数を調べたところ、2022年以降合わせて、のべ130件にのぼった。

中には希望売却価格が3200万円というものや、選挙が売り出し文句として使われていたものもあった。

「7月の参院選もあり、視聴需要が今後も見込まれます」

実際にチャンネルの売却経験のある人物が、報道特集の取材に応じた。

九州地方に住む50代の男性は、これまでに10あまりのさまざまなジャンルのチャンネルを立ち上げ、6つを売却したという。

最初は「嫌韓」と呼ばれる韓国を批判するチャンネルだった。

チャンネルを売却した男性
「(セミナーの講師が)『稼ぎたいんだったら嫌韓系やれ』と。実際(嫌韓系)溢れてました。韓国を批判する、北朝鮮を批判する、中国を批判するというようなネタ」

2024年の衆院選のタイミングに合わせ、保守系の政治チャンネル2つを立ち上げた。

男性は数か月後、このうち一つのチャンネルを50万円以上で売却した。約200万円の配信収益を得た後、高値で売り抜けるタイミングを選んだ結果だった。

チャンネルを売却した男性
「視聴が伸びてないからですね。もうこれ以上(視聴回数が)下がったらもっと安くなるなというのは思います。僕の考えと買った人の考えは、やっぱり全然違うんで、新しい視点でやってもらえればなと。サムネイル改善すれば、伸びるかもしれないという思いもあった」

購入者がどんな人物かは分からなかったが、売却後、チャンネルに変化があったという。

チャンネルを売却した男性
「サムネイルの文言なんか、かなり強くなっているなというのは感じますね。それ事実と違うよねという内容も結構入れたりとか。僕は多分それやらない、性格的に。だって嘘だもん」

男性はもう一つのチャンネルの売却先を探しながら、新たな政治チャンネルも準備している。

YouTubeをやめない理由は、過去に政治とは別のジャンルの動画がバズった経験があるからだ。

チャンネルを売却した男性
「100万回再生で、実際100万円ぐらい入ってきた。めちゃめちゃ長い動画だったんで、単価めっちゃ高かったんですよ。(1年で)トータル2000万円弱、1チャンネルだけで。その体験がやっぱり鮮明に残ってるので、なかなかやめないですね」

政治系チャンネルを売買することに問題はないのだろうか。