再生回数による収益だけでなく、チャンネルそのものが売買の対象に…
関西地方に住む30代の男性も、政治を扱うユーチューバーだ。
ユーチューバーの男性
「登録者数が3万2000人。政治切り抜き動画であれば、200本くらいじゃないかなと。政治切り抜きって、そんなに世間の方に注目されるコンテンツじゃなかった」

2年ほど前に始めたチャンネルは当初、月に数万円の収益だったが、今では平均して30万円を稼げるほどに成長したという。
大きく流れが変わったのは2024年末のことだった。
男性
「去年12月とか(今年)1月は、再生数に取り憑かれていた」
村瀬健介キャスター
「去年の12月には何が?」

男性
「去年の12月は、兵庫県知事選です。稼げるコンテンツだった。兵庫県知事選の期間中もそうだが、知事選が終わってから、すったもんだが始まった。結構、期間として長くとれたという印象。『陰謀的なもので斎藤知事がおろされた』みたいな立場で作った方が再生された」
しかし今、特定の政党や政治家に偏った動画は作らないようにしているという。

男性
「『政治×SNS』みたいなものに否定的・批判的な声が多かった。となると、自分の感覚が誤っていて、世間の感覚から逸脱しているのだろうなと思った。少しずつ自分の中で見直していくみたいな感覚」
有名チャンネルに育つと、収益を稼げるのは再生数だけでは無い。チャンネルそのものがカネになるのだ。
2025年1月頃、男性に、ある会社から1通のメールが届いたという。
男性
「『(チャンネルを)売買しませんか』という連絡を頂いた。300万円、そのへんだったかなと」

男性が運営を手伝った、別のチャンネル宛に来たメール。「チャンネル売却のご相談」として、「YouTube専門のM&Aコンサルタント」と名乗る人物から送られてきた。
村瀬キャスター「予算が数億円あると」
男性「びっくりしますよ」
村瀬キャスター「金、持ってるんですね」
男性「YouTubeの月収益の最低半年から1年分くらいが、(売却額の)ケースとして多いと聞く」
男性は自身のチャンネルを売却したことはないという。

男性
「私がYouTubeで稼ごうと思ったら、どういうコンテンツが伸びるか把握している。1年くらいで1、2万人くらいのチャンネルを作って、一番盛り上がったときに売り逃げすれば一番儲かるという想定はできる」
村瀬キャスター
「倫理観無しに売却することは問題がある思う?」
男性
「条件を付けて『どう思うか』と聞かれるとずるい気がする。『倫理観無しに』と言われ始めたら、『どうかな』と思わなくはない。でも認められていることであるという事実がある」