連続噴火が継続している新燃岳。今の様子を専門家はどう見るのか。上空からの解説です。

(井村隆介准教授)「今も何か所からも噴気が上がっている。数日前に見た時よりも全体として増えている」
火山地質学が専門の鹿児島大学・井村隆介准教授は、新燃岳火口の中に割れ目のようにいくつもの火口が列をなしていると話します。

(井村隆介准教授)「これは2018年に火口の中を埋めた溶岩。右端で勢いがあって上がっているのが、今回の噴火で生じた火口の一番北東の端のところ。北東から中心の方に向かっていくつも火口が列をなして割目のようにつながっている。きょうは一番北東側のところで集中して噴火が続いている」
30日は、火口のすぐ外側に噴き出して積もった泥の跡も見えました。

(井村隆介准教授)「火口の外側に白く帯のように見えているのが、熱泥(ねつでい)のようなもの。吹き上がった土砂が風にあおられて斜面にバシャっと溜まったような状態」
井村准教授は、今後マグマ自体が噴出するより規模の大きな「マグマ噴火」に移行する可能性もあるとみています。
(井村隆介准教授)「新燃岳は過去、水蒸気噴火からマグマ噴火への移行を繰り返している。これが今起こるのか、1週間後なのか、1か月後なのか、2011年のように何か月も後なのかわからないが、マグマ噴火に移行してもおかしくない状況にあることは知っておいていただきたい」
一方で、研究者としての本音も打ち明けてくれました。

(井村隆介准教授)「やはりよく分からないところが多くて、『注意してください』しか言えなくて申し訳ないと思う。いつでも(避難の)スイッチを入れられるようにというのは、『覚悟を持ってほしい』ということ。(大噴火への)覚悟が必要だということを、火山が多い鹿児島県民は知っておく必要がある」