■「きょうのウクライナはあすのモルドバ」分断を懸念する声
小川彩佳キャスター:
ハセンさん、きのうはモルドバのウクライナ避難民の支援の場である避難所から伝えてもらいましたが、一方で国内にはロシアを支持する国民もいると。取材を通してどんなことを感じましたか?
国山キャスター:
私は今、親ロシア派住民が多く住むコムラトの中心部にいます。行政の庁舎のすぐ目の前にレーニン像が立っています。このレーニン像というのは住民にとっては、ソ連時代の愛着を示す、まさにシンボル的な存在です。ですからこれを撤去しようものなら大変なことになる。「ソ連に戻りたい」と話す女性もいました。この町で取材をしてみると、「プーチン大統領を支持する」「戦争には賛成だ」という声も聞きました。正直、衝撃を受けましたが、これも事実です。きのう話を聞いたモルドバのジャーナリストは、「きょうのウクライナはあすのモルドバだ」と話しました。
確かに分断を懸念する声もあります。ただ私は、ここでもモルドバから避難してきたウクライナの子どもたちに話を聞きました。みんなに夢を聞くと、「戦争が終わること」「平和」ということを口にします。家族や友人と過ごしてきた当たり前だと思ってきた何気ない日常を突如として奪われた、その子どもたちの夢、平和という夢が現実になることをここで強く願います。