ヒットの仕掛け人第3弾「アイドルブレイクの法則」の後編は、『KAWAII LAB. 』の令和のプロデュース術。キーワードは“自己肯定感”です。

「長く聴いてもらえる」楽曲戦略

大人気アイドルグループ「FRUITS ZIPPER」らが所属する『KAWAII LAB. 』のプロデューサー、木村ミサさん(34)。

前編では「セリフからサビに入る」など曲に“違和感”を作ったりと数々の【バズるためのSNS戦略】を教えてくれましたが、ヒットを生むためには、現在の“バズ”だけを狙うのではなく、先を見越した戦略も必要だといいます。

例えば、FRUITS ZIPPERの♪「ハピチョコ」。

『KAWAII LAB. 』総合プロデューサー・木村ミサさん(34):
“令和のバレンタインソング”を作りたいと思って。2023年のリリースから1年後に、お菓子のタイアップがバレンタインの時期に決まって曲が起用された」

バレンタインなど、“毎年のイベント”をテーマに楽曲を作ることで“長く聴いてもらう”という戦略です。

SNS時代だからこそ「自分を認めてあげる」

様々な“仕掛け”で巻き起こったKAWAII LAB. のブレイクですが、ファンはどんなところに魅力を感じているのでしょうか?

“自己肯定感が上がるような曲”が多いのかなと思う。前向きになったり明るくなったりする曲が多い」(20代男性)
「自分も明るくなれるし“自己肯定感が上がる”」(19歳女性)
「<こんな失敗はちっちゃいかー!>という歌詞があって、自分がした失敗だったりを認めてくれたりする。励まされている」(大学生・男性)

語られたのは【自己肯定感】。実は、これも“木村流”プロデュース術なのです。

木村さん:
「SNSが主流な世の中で、いいねとか色んな数で誰もが評価されてしまう時代。だからこそ“自分が自分らしく”いられること、“自分を認めてあげて”肯定されたことによって多幸感が広がって、みんなが幸せになれたらいいなと」