記者会見で社長が語った「内部通報」

――坂田さんは「翌日配達が困難になる。ふるさと納税などにも影響が出るのではないか。業界全体が負担増となり、物価高の一因になる」とも指摘しています。自宅でクリックして、簡単に商品が届くのが当たり前といった感覚が輸送業界を逼迫させてるんじゃないかなと思うと、数日後でも構わないというぐらいの気持ちのゆとりを持たなきゃいけないと思います。
――記者会見で千田哲也社長は、「いまはじまった話ではなく、(不適切点呼は)相当前からということしか言えないのが現実です」と話しました。また「内部通報していただいた方に対する対応が、本当に経営として良くなかったのは事実」と、社内コンプライアンスの問題についても触れました。坂田さんはどのような印象でしょうか。
日本郵便という会社は、かんぽ生命保険の問題もありましたけれど、どこかコンプライアンスを軽視している、とか、自社の都合を優先してしまう体質であるとか、悪い意味での社内文化みたいなものが根付いちゃってる、とも思うんですよね。根本的になおさなければ、さらに違う問題は起きるでしょうし、そういう文化が根付いてしまっているドライバーさんを他社が欲しがるかっていうと、それはノーです。
2500台をドライバーごと、他社に引き取ってもらうことは、実際は発生する可能性はありますけれども、世の中から批判を受けるでしょう。結局、問題の解決、膿を出し切ることになっていない。それから2500台はその会社のオペレーションをしてきたドライバーたちではないので、かならずしも働けるかっていうと、それは難しいと考えます。
【坂田良平:トラックドライバーやIT業界を経て、現在、物流業界のコンサル業務を手掛ける】