輸入飼料からの脱却は現実的なのか

国は、酪農の生産基盤を強化するためには、飼料費の低減が不可欠だとして、自給飼料の生産拡大を目指しています。

輸入飼料からの脱却は現実的なのでしょうか。生産者の永田さんと専門家に聞きました。

(酪農家・永田一喜(ながたかずき)さん)
「国産がいいなと僕も思います。理想です。ただ、現実はどこまでも遠い。そこに行くまでに、今、、種代も上がった、肥料代も上がった、トラクターも上がった、機械も老朽化が進んでいる。あとは人が足りないですよね、どう考えても。安定するのは自分らが買うっていう形。だから、国産で買うという形が一番ベストなのかなと思う」

酪農経営に詳しい専門家は・・・

(北海道大学大学院 小林国之准教授)
「日本の農地を守るという視点からも、そういう取り組みを進めていく必要があるかなというふうに思いますので、個別経営で酪農家が餌まで作れないよという場合は、耕種農家の方と畜産農家・酪農家の方たちが広域的に連携をして、いかにそういう飼料の流通体系を整えていくか、地域全体で支えていくような酪農畜産のあり方というものをこれから考えていく必要があるかなと思います」

持続可能な酪農経営へ転換を図るためには、国の支援も不可欠です。

(北海道大学大学院 小林国之准教授)
「飼料を共同で作ってもらってそこから購入する。そのための様々な機械投資や情報のサービスなどのへの支援とか、牛を大切に長く飼っていくための育種の部分での支援とか、これまでの酪農のあり方を変えていく方向性が求められるわけですから、そこに向けた経営転換の支援が求められると思います。酪農家自身も全国のいろんな取り組みを学びながら、全国でうまくやっている酪農家の方たちとの交流だとか意見交換・情報交換は同時にしていくことが大切」

この危機を転機に、日本の酪農を持続可能なものに変えていかなくてはいけません。
私たち消費者にも、できることはまだたくさんあります。

※MRTテレビ「Check!」6月11日(水)放送分から