今月は「牛乳月間」、酪農に注目します。
いま、酪農を取り巻く現状が非常に厳しくなっています。

中央酪農会議によりますと、全国の酪農家の戸数は年々減少し、去年10月時点で9960戸と5年間で3000戸以上減少。
2005年の調査開始以降、初めて1万戸を割りました。


また、去年11月に酪農家236人に行ったアンケート調査によりますと、経営状況について、6割近くが「赤字」と回答。
さらに、半数が「離農を検討したことがある」と答えました。

酪農の現場で、何が起きているのか。宮崎県内の酪農家を取材しました。

倍と言っても過言ではないくらいの値段に釣り上がっている

小林市で祖父の代から酪農を営む永田一喜さん(33歳)。
4年前、29歳で父の跡を継ぎ、現在は、乳牛60頭と、和牛7頭を飼育していますが、就農にはためらいもあったと話します。

(酪農家 永田一喜さん)
「食は国防だという言葉があります。僕はそう思って、自分の中では酪農をしたいという思いがすごく強かった。でも、(すぐに決断)出来なかったのは、経済的な理由。父親が『後を継いでも給料ないぞ』と」


就農直後から、新型コロナ、ウクライナ侵攻、それに、円安など複合的な危機に見舞われた永田さん。
飼料価格の高止まりは現在も続き、経営を圧迫しているといいます。

(酪農家 永田一喜さん)
「飼料価格の高騰は想像を絶するほど。倍と言っても過言ではないくらいの値段に釣り上がっている」

牛のエサには、牧草などの「粗飼料」とトウモロコシなどの「濃厚飼料」があり、これらをバランスよく与えています。

(酪農家 永田一喜さん)
「あの奥の山のふもと近くまですべて、うちで作っているトウモロコシ」

永田さんの牧場では、一部は輸入ものを使っていますが、自給飼料として、トウモロコシも育てています。

しかし、これも、物価高騰のあおりが・・・

(酪農家 永田一喜さん)
「肥料代が上がっています。種代が上がっています。これも同じく倍近い」