■“化学兵器”が使用されていたら・・・アメリカはどう動く?

ホランキャスター:
4月8日時点では、マリウポリの中心部はロシア軍による進軍・制圧が確認されていない場所が多く見られました。しかし、11日になりますと、さらにロシア軍が中心部に進軍したとみられます。どんどんマリウポリという街が攻め込まれてしまっている状況です。

では、ここで何が起きているのでしょうか。こちらは親ロシア派による発表です。

ドネツク人民共和国 軍事担当報道官
「(マリウポリの)製鉄所の地下に3000~4000人のウクライナの勢力が隠れている」

これに対して“化学部隊の手でいぶり出す”と化学兵器を使う可能性を示唆していたのですが、実際に使われていたのかどうかというのはわかりません。
こういった発表をどう受け取るのかという部分も大変難しいところです。もしこの化学兵器を使っていたとしたら、各国はどう対応するのでしょうか?

アメリカ バイデン大統領(3月24日のロイター通信より)
「もしプーチン大統領が(化学兵器を)使用すれば我々は対応する」

どのような対応がなされるか、注視されています。

井上キャスター:
対応というのは何を指すのか。やはり武力行使になると世界大戦になってしまう、それはできない。どこまで踏み込めるのでしょう。

星コメンテーター:
実際に化学兵器を使った場合にアメリカが対応した具体的な例があります。4年前、トランプ政権のときにシリアで化学兵器が使われたという認定をして、クルーズミサイルでその拠点を爆撃したのです。
ですから今回のバイデン大統領は否定も肯定もしていないのですが、仮に化学兵器が使われた場合、その親ロシア地域の拠点をクルーズミサイルで攻撃する可能性を否定してないですね、実は。
もちろんロシア本土に対して攻撃というのは、なかなかリスクがあります。世界大戦になる可能性もあるのですが、親ロシア地域の軍事拠点、そこに化学兵器を使ったということを理由に空爆するという可能性は否定してない、というところに注目すべきだと思います。

井上キャスター:
それは証拠が出た後に行動を起こすのですか。

星コメンテーター:
トランプ政権のときもある程度確証があったことで、空爆に踏み切ったということがありましたから。そういう例はもちろんアメリカも参考にしていると思います。