高校生でのデビュー戦 相手は世界ランク6位

Q(司会者): まずデビュー戦は2013年、高校生デビューでした。あの時のことを振り返るといかがでしょうか?

(田中恒成選手)
高校3年生の時に畑中会長に「デビューする前に強い人と試合を組んでください」と、今ほどの関係性を持っていない中、大きなことをお願いしたのですが、その時に会長から持ってきてもらったのが、デビュー戦の相手が世界ランク6位でした。自分自身、高校生でプロの世界でどれだけ通用するかも全く分からない中、決まったら「変なこと言ってしまったな」と思って不安になったのですが、ちょうど腰の状態がとても悪く、練習に行ってもストレッチだけして帰るとか、スパーリングも全くできない状態でした。

もちろん6ラウンドの試合の中で、6ラウンドのスパーリングも一度もしたことがないような、そんな状態でどうやって試合までにプロとして自信を持ってリングに上がれるのかをずっと考えた結果、「実践ができないのならば、実践のようなシャドーを10倍やろう。シャドー10ラウンドでスパーリング1ラウンド分だ」と思って、その時は頑張りました。自信というか、過信ですが、そんな形で心がいっぱいいっぱいの中、試合に臨み、それでもこうやって乗り越えられたことがとても心に残っています。