名指しされた竹内元県議の遺族「ありえないことが起き続けていたんだな」

2025年1月に亡くなった、竹内英明元県議。

元県民局長のプライバシー情報をめぐる井ノ本氏らの動きを当初から察知し、自ら調査に乗り出していた。

2024年5月、竹内さんのLINEには、プライバシー情報が悪用され、元県民局長は信用できないとされてしまう懸念が示されていた。

竹内元県議と関係者のLINE
「押収したパソコンの中身をみて、片山副知事は、これは行ける!と知事会見を前に進言したそうです」
「これを持ってるぞと中身は言わないけど、反論をする。これ一般職の公務員のやることではないです。ヤクザです」

メッセージを受け取っていた、県の関係者は。

兵庫県の関係者
「気づいて調べたんだと思います」

――不都合な情報が、竹内さんの調査で分かってしまうことに対して(井ノ本や片山は)よく思っていなかった?

兵庫県の関係者

「それは思わないでしょうね。自分たちのストーリーが、どんどん壊されていくことになるので」

ところが、第三者委員会の調査では、井ノ本氏が元県民局長のプライバシー情報の“出所”は竹内元県議だと名指ししていたことが明らかになった。

井ノ本氏の供述
「元議員がもうひとつの情報の出所だと思う」

その根拠について、井ノ本氏は竹内元県議が「野党で唯一の告発文書の送付先であり、元県民局長が頻繁に連絡を取り合っていたことは聞いていた」と説明。

これを受け、第三者委員会は竹内元県議に、調査への協力を依頼した。

――こちらがその手紙ですか。

竹内元県議の妻

「はい」

――これは、奥様が受け取られた?
「事務所の方に届きました。(議員の)仕事を辞めて、事務所の片付けをしていまして、で届いて…」

書面で調査依頼があったのは、竹内さんが県議を辞職した翌月の2024年12月20日。

知事を貶めた“主犯格”などと様々な誹謗中傷に晒されるなか、親しかった元県民局長の情報を漏えいしたのは自分だと疑われた、と感じ、さらに追い詰められていったと、妻は明かす。

竹内元県議の妻
「その時は、そんなふうに名前が挙がっているなんていうのは、考えもしませんでしたから。議員の職を辞めて、何の力も持たない(夫に)なお、悪事を働いたとか黒幕だっていうように、どこまでも追い込んで痛めつけてっていう、本当に恐ろしいことだし」

責任を押し付けられた竹内さん。調査に応じる気力も無く、ひと月後、自宅で命を絶った。

第三者委員会は、元県民局長のプライバシー情報漏えいについて、竹内さんが「情報の出所とは認められない」と結論付け、斎藤知事らが井ノ本氏に指示した可能性が高いと指摘した。

竹内元県議の妻
「まさか(知事らの)指示があるとは、さすがに思わなかったので。本当に何と言うか、ありえないことがもう、その問題の当初からやっぱり起き続けていたんだな、っていうのが 改めて分かって、愕然としたっていう感じですかね。

今も混乱が続く中で、なぜこうなったのか。本当に24時間、頭から離れなくて、ずっと考え続けているんです。当然やっぱり怒りもありますし、すごくやりきれないんですけど、否定する気も、声を上げることもなんだかもう、それをしても、亡くなった人間は戻らない。あまりにもひどい…」