◇《“たらこ湯”を切り盛りするのは動物が大好きな同級生2人》

 シュナウザーを連れた、お客さんがやって来ました。宿を切り盛りする2人。山下さんが受付に回ると、あうんの呼吸で、吉原さんは、案内役を務めます。

『たらこ湯』吉原和香奈さん
「おトイレとか案内します」

生まれつき、耳が聞こえない吉原さん。主にコミュニケーションは、相手の口の動きから話し言葉を理解し、伝えたいことを声に出して話す"口話(こうわ)"です。

音声認識アプリや筆談も使います。

 吉原さんと山下さんは、北海道網走市にある大学で同級生でした。

2人は2008年に大学を卒業。長野県出身の吉原さんは、東京でSEなど会社員として働き、転職でえりも町役場へ…。

千葉県出身の山下さんは、北海道内の民間企業で会社員をしていました。そんな2人が去年5月、夢への一歩を踏み出しました。

『たらこ湯』吉原和香奈さん
「公務員を定年まで務めるイメージが持てなくて、私が、昔から温泉が好きで、いつか自分で温泉をやりたいと、ぼんやりとした夢があったので"やろうか"って!」

『たらこ湯』山下純奈さん
「ノリみたいな、遊びの延長みたいな…(笑)」