最新鋭!「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー」 観測時間が10分の1以下に
気象レーダーとは、電波を発射し、その電波を雨粒に当て、はね返りを観測することで、雨の降っている場所や雨の強さなどを観測する装置です。気象庁が通常使用している「気象ドップラーレーダー」は、広範囲を監視することが特徴で、近畿では、大阪府八尾市の高安山に設置され、近畿地方全域をカバーしています。
一方、総務省や国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が中心となって開発した最新鋭の「フェーズドアレイ気象レーダー」は、範囲は狭いながら観測にかかる時間を10分の1以下にすることができ、空全体を素早く観測することが可能です。また、雨雲を立体的に観測し3Dデータ化できることで、ゲリラ豪雨を“卵”の段階でとらえ、刻一刻と変化する積乱雲の動向を高速かつ高精度で把握することができます。
そんな最新鋭の気象レーダーは、大阪・関西万博の会場の空を常に監視してくれています。設置場所は、大阪府吹田市の大阪大学・吹田キャンパスと兵庫県神戸市の情報通信研究機構・未来ICT研究所です。この取り組みは、“大阪・関西万博における「高精度な気象予測情報」提供の実証”として、民間企業と政府、大学などの教育・研究機関の連携により行われています。