“底上げ”を前面に出す前に 議論のオープン化を
井上貴博キャスター:
高齢化が進む日本で年金制度をいかに持続可能なものにするか、非常に難しい問題です。

石田 健さん:
『難しい問題であること』と、『データを提示して初期の仮説が間違っていたならば、修正しましょうという議論をオープンにしていく』ことは十分両立できると思います。
今の議論を見ていると、「過去のここが間違っていた。だからこのシミュレーションを変えます」ということが率直に語られないまま、“底上げ”が大事だと話している。
みんな底上げが大事であることはわかっているんです。
そうではなく、底上げをするための財源案や、シミュレーションがなぜ問題になってしまったのかという点です。
「(そこに至るまで)十分にオープンにしていましたか?」と一番に問いたいところで、本来はそこからが出発点になっていくべきなんです。
井上キャスター:
しかも公的年金の支給額を示すモデル世帯がずっと「サラリーマンと専業主婦」という2人世帯のままです。多様な世帯構成や働き方を踏まえずに、いつの時代の話をしているんだと思います。
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<プロフィール>
石田 健
ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長
鋭い視点で政治・経済・社会問題などを解説