“タクシーキクラゲ”で「年商2000万円」
すでに「キクラゲビジネス」で成功している例もあります。

タクシー会社の『日栄交通株式会社』(さいたま市)では会社の目の前に19畳ほどのプレハブが。中は“取締役手作り”の栽培スペースになっています。

常務取締役・清水雄一郎さん:
「タクシーは料金が決められず売り上げを伸ばしづらいが、キクラゲはそこの可能性を感じている」

コロナ禍に「室内で安定して栽培できる」キクラゲに目を付けたという清水さん。
事務所のシャワー室で初期投資0円からはじめ、いまでは栽培用に買った空き家を含む3か所で6000床を栽培しています。

仕入れ値が1つ400~700円の「菌床」から収穫できるキクラゲは約1kgで、公式サイトでの売値なら3000円ほどに。(※販売価格は変動する場合があります)

2025年は事業も拡大し「年商2000万円にのる」勢いだといいます。
「年商4000万円へ」プロ野球からの挑戦
異業種から“個人で”キクラゲ栽培に参入した人もいます。
『結樹農園アグリス』中原大樹さん(32):
「月で30~40トンの出荷があって、年商で3700万円」

福岡・糸島市で5年前からキクラゲ農家を始めた中原さんは、元プロ野球選手。
2010年に育成選手として福岡ソフトバンクホークスに入団しましたが、「ケガも多かったし、一番は実力不足で戦力外通告を受けた」(中原さん)

22歳で引退し引越し業に転職しますが、義理の父親から「キクラゲ栽培を始めてみたらどうだ」と声をかけられ挑戦することに。
キクラゲビジネスは「参入しやすい」半面、“新しいビジネス”ゆえの苦労もあったといいます。
中原さん:
「前例がないから融資がおりなかった。家族それぞれお金を出しあって、ビニールハウスなどを購入した」

さらに、作ったキクラゲを「どこに売るか」という問題。国産キクラゲは馴染みが薄いので、販売先がなかなか見つからなかったといいます。
そこで目を付けたのが…

中原さん:
「一番の転機は“学校給食”。福岡市の給食は地産地消をうたっていて12万食分のキクラゲを納められる農家が他にはいなかった」

給食で広がる”地産地消”の波に乗ることで年商が大幅アップ。中原さんは「キクラゲを作ってよかった」と笑顔で話します。

異業種からのキクラゲビジネスへの挑戦は、今後さらに広がるかもしれません。
(THE TIME,2025年5月22日放送より)