日本人にとってコメとは…

このように、現場には不安と不透明感が漂う中、コメ政策の行方を左右する田植えが始まりました。水が張られた田んぼに、田植え機がリズミカルに苗を植えていく光景は、かつては日本の風物詩であり、見る者の心を和ませるものでした。

しかし、いつしか人々はコメに目を向けなくなり、コメ離れが進んでしまったのです。私たち国民が、主食であるコメにもっと関心を持つべきではないでしょうか。

私は取材中、ある農家に「コメの価格が暴落した時こそ、取材に来るべきだ」と叱られた経験があります。コメの価格低迷は、農家にとって死活問題に関わる重大なニュースなのです 。
「霞が関のビル」ではなく、土にまみれた農業現場こそが、日本の農政が進むべき道を教えてくれることを忘れてはなりません

CBCテレビ 解説委員 大石邦彦