“まんまる”のビー玉をつくることの難しさ

――中でも、とりわけ、ラムネ用のビー玉というのは製造が難しいのでしょうか。

もちろん、どのビー玉も高いクオリティで製造していますが、特にラムネに使うビー玉は炭酸飲料に栓をするため、一番、真球度(球の真円度)が要求されます。さらに、ビー玉の中に気泡があると、製造過程でビー玉同士がぶつかって割れてしまったり、お客様に届くまでに割れてしまったりして、それらが口に入るということはあってはならないので、1番シビアな部分であるといえます。

――“まんまる”に仕上げるには、具体的にどんな技術が必要なのですか?

松野工業HPより

企業秘密なのであまり詳しくはお伝えできませんが、特に難しいのは、ガラスの溶け具合です。溶かしきれていないと、不純物が混ざってしまうし、生地は硬くなる。けれど、溶かしすぎたら上手く成形できない。硬くもやわらかくもない、そのちょうどいい硬さにするところが難しい点です。

また、気温や気圧の変化も製造に大きな影響を与えます。例えば、冬場に荷物を搬送して、シャッターをいつまでも開けっぱなしにしておくと、気圧の変化で、せっかく均一に出始めてきた、安定したビー玉のサイズが変わってしまうということもあります。それでも、計測して初めて出るぐらいの誤差なのですが、細心の注意を払って製造しています。