「慰霊祭を見守って欲しい」

(下山さん)
「馬砲兵第四連隊の旗。山下さんが病気になったとき、『とにかく持っていて』と託した」

山下さんは生前、隣に慰霊碑のある飛行第50戦隊の遺族で地元に住む、牧野輝久さんにも「慰霊祭を見守って欲しい」と頼んでいました。

しかし、不安をにじませます。

(遺族・牧野輝久さん)
「自分の祖父・曾祖父が戦争に行って、帰ってきたということを知る人が少なくなった。この慰霊碑をどうやって守っていこうというのが一番の課題」

三ヶ根山で29日に行われた、13の部隊の合同慰霊祭に遺族の出席は下山さんと牧野さんの2家族だけ。全国に1万6000基以上あるとされるこうした慰霊碑の管理はいま、難しい課題に。下山さんは孫で中学2年の怜音さんに、思いを受け継いでほしいと考えています。

(怜音さん)
Q. 碑を守っていきたい気持ちはある?
「はい。戦争がこないように祈った」

(下山さん)
「部隊の方全員、二度と自分たちのような経験を若者にしてほしくないと願っていた」

昭和100年の「昭和の日」の29日、下山さんたちは「戦争を繰り返してはならない」という父親世代の願いに、思いをはせていました。