能登を代表する春のまつり・青柏祭が始まるのに合わせて石川県七尾市では「花嫁のれん展」が29日から行われています。両親が娘に持たせる婚礼の贈り物、今年は復興への思いも込めて掲げられています。

渡邉百音アナウンサー「石川県七尾市の一本杉通りです。まだ震災の爪痕が残る中今年は2年ぶりに花嫁のれん展が開かれています。復興を後押しするように華やかなのれんが街を彩っています。」

石川県七尾市中心部の一本杉通り。38軒の店先に掲げられているのは色鮮やかな「花嫁のれん」です。花嫁のれんは、嫁ぎ先の仏間にかけられたのれんをくぐり、新しくその家に入ることを意味する幕末からの婚礼の風習です。

29日から開かれている「花嫁のれん展」では商店街の各店舗や住宅に約100枚ののれんが展示されています。

渡邉百音アナウンサー「サクラや鳥で本当に華やかなのれんですね、これはどういったのれんですか?」

しら井昆布・白井洋子さん「これはうちの息子のお嫁さんが秋田から来てくれたのだが、秋田にはこういう風習はないが、一本杉にお嫁に来たからにはというので、作らせてもらった。」

渡邉百音アナウンサー「柄に込めた想いはありますか?」

しら井昆布・白井洋子さん「桜模様に鳳凰。鳳凰も縁起の良い鳥なので。」

渡邉百音アナウンサー「見るだけで気持ちが華やかになる色合いですね。」

家によって柄は様々ですが鶴、梅、牡丹などのめでたい柄が描かれている花嫁のれん。嫁いでいく娘を思ってのれんにはそれぞれの家の物語があります。

一本杉通り振興会・高澤久会長「結婚式で初めてこうやって2つのおうちが結ばれるというところの1つの表れでもあると思うし、親御さんが子どもさんに本当に幸せになってもらいたいという、そういう気持ちが込められていると思う。」

去年は能登半島地震の影響で中止され、今年は2年ぶりの開催です。商店街は被害を受けた建物も少なくありませんが、今は7割の店が営業を再開。店にかけられたのれんには復興への思いも込められています。

一本杉通り振興会・高澤久会長「やっぱり足を運んでいただいて、能登半島の被害もまだ途中ですから、そういうところも見ていただいて、継続して、能登のこういう現状とか関心を持ってもらうことに繋げていただければなと思う。」

花嫁のれんは5月11日まで展示されます。