(在日アメリカ軍・横須賀基地に入港するジョージ・ワシントン 撮影:2024年11月)

午前8時 街に轟く日米両国の国歌

今月17日午前8時、神奈川県・横須賀市の高台にある安針台公園。
潮風に葉桜が揺られ、残りわずかとなった花びらが舞う。
すると突然、小鳥のさえずりがかき消された。辺りに轟いたのはアメリカ国歌だ。アメリカ国歌が終わると次に君が代が流れた。公園の眼下に広がるのは在日アメリカ海軍と海上自衛隊の横須賀基地だ。横須賀は日米両国が「軍港」として共用している。

艦船の出入りも頻繁で、この日はちょうど海自の潜水艦が帰港した。潜水艦は極秘任務に当たっているため活動はベールに包まれている。潜水艦の甲板には久しぶりの上陸を心待ちにしているであろう自衛官が整列していた。

その潜水艦の脇には巨大な艦船が係留されていた。アメリカ海軍第7艦隊の主要艦である原子力空母ジョージ・ワシントンだ。全長333メートル、2基の原子炉を搭載していてアメリカ国外に配備されている唯一の原子力空母だ。

この日、定期修理中のジョージ・ワシントンから放射性廃棄物が搬出されることが在日アメリカ軍から防衛省を通じて横須賀市に通告されていた。