官邸が意識している「サプライズ感」

難波澪 記者:
そして最近、官邸が意識しているなと感じるのが、「サプライズ感」です。

最近、野党から先行して減税を求める声が相次いで上がったり、総理が減税に前向きなのではないかといった報道がたくさん出たりしたことで、消費減税の「サプライズ感」が非常に薄れてきていることを、政権内部の中では心配するような声も聞かれます。

これから“トランプ関税”が日本の経済に及ぼす影響がどれくらい出てくるのか、「しっかりと見極めて検証することも必要だ」という声も官邸の中で聞かれます。そういったことも併せて、トランプ関税対策・物価高対策を、最終的に段階をしっかりと踏んでいく必要があるのではないかといいます。

井上貴博キャスター:
与党としては選挙もあり、その「サプライズ感」を何とか演出していきたい。そして、野党に押し切られて減税したと見られたくないんだろうなと感じます。

減税を何のためにやるのかと考えると、物価高対策のため。そう考えると、やはり、食料品に限定した部分、つまり軽減税率を下げることが一番シンプルで効果的だと感じます。

参議院予算委員会で石破総理が消費税の減税について「検証したい」と予定外の発言をしたことで、関係者も驚いたという話がありまししたが、石破総理はそのような予定外の発言をする人なのか、それとも異例だったのか、そこの温度感はどう見ればよいでしょうか。

難波澪 記者:
政府関係者とよく話をしている中で、「総理は自分の言葉で話したい人なんだ」ということをよく聞きます。なので、この発言に限らず、自分の思いというのを言葉にしたいという総理なんだと思います。

出水麻衣キャスター:
これからサプライズがあるとすれば、その時期は見えているのでしょうか。

難波澪 記者:
選挙対策ではないということで、はっきりと時期は言わないですが、やはり参議院選挙の前に大きな目玉となる政策を掲げなければ勝つことはできないですし、今は少数与党というさらに厳しい状況です。

参議院選挙が近くなった時期、6月には骨太の方針という政府の経済・財政政策を打ち出す時期もありますので、それに合わせて経済対策を打つということも考えられると思います。

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<プロフィール>
難波澪
TBS報道局政治部 官邸クラブ
安倍政権時代から経済政策など取材