熊本地震をはじめ去年の能登半島地震でも課題となったのが住宅の耐震化です。県内では最新の調査で88%と全国平均を下回り、専門家は家具の固定とともに対策を進めるよう呼びかけています。

熊本地震で震度7を観測した益城町では古い耐震基準で建てられた木造住宅の3割近くが倒壊したことがわかっています。

県は4月、住宅の耐震化率について公表しました。県内では2023年時点で88パーセントと、前回5年前の調査から4ポイント上昇したものの、全国平均の90パーセントを下回っています。

この結果について専門家はー。

(大分大学減災センター・鶴成悦久センター長)「まだまだすべてではない。耐震化をしようとする一人ひとりの考え方をもっともっと広げていく必要性がある」

能登半島地震では死者のうち、およそ4割が建物の倒壊による圧死で、住宅を耐震化する必要性が改めて浮き彫りとなりました。また、耐震化とともに大切なのが家具の固定です。

大分大学減災センターが導入している過去の地震の揺れを再現するシミュレーターでは、家具固定の場合、熊本地震の本震に相当する揺れでも被害が抑えられることがわかっています。

(鶴成悦久センター長)「本当に簡単にできるのは家具の固定。生活の中で倒れてはいけないところをまずチェックする。もうひとつは避難をする場所の導線を考えて、家具の固定をすることによって家族という大切な命を守っていくことにつながる」

木造住宅の耐震診断や改修について、県では費用を補助する事業を進めています。

今年度からは改修にかかる補助額を引き上げていて、制度の活用を呼びかけています。