地域へ広がる当事者たちの思い
今年の報告会では、新たな取り組みも始まりました。来場者によるワークショップです。ランダムにグループ分けされた来場者が、それぞれの意見や感想を聞き合います。
参加者「具体的な避難方法なども、地域の方を巻き込みながらということになるが、それをどうしていいか…」

市の職員や、医療・福祉の関係者に加え、一般の市民も膝を交えて、思ったことを共有します。
本田医師「やっぱりみんな話したいんですよね、聞いてほしい。自分の話を人に聞いてもらうって、すごく心が安らぐんですよ。人の話を聞くっていうのも、人の心をやっぱり育てるんですね」
医療的ケア児の命をいかにして守るか。そのテーマで集まったはずの参加者ですが、多くの人が、自分たちの身近な地域について、話し合っていました。本田さんや笠間さんたちの危機感と思いは、いま、確実に広がっています。
本田医師「やっぱりいろんな人が参加してくれることで一般の人から広がりが出ていく。それで関係ない人がどんどん参加してくれて、そこからまた別な人が参加してくれるっていうふうに、やっぱりどんどん地域に広がっていってることは間違いなくて、それはとてもありがたいですね」

これまで、顔が見えなかった人たちとどうつながっていくか。医療的ケア児の避難を考えることは、私たちが地域でどう生きるかということにつながります。
本田医師「患者さんが病院に来るのなんて一瞬ですから。その病気を抱えて地域に戻るので、その病気を抱えて地域でどうやってハッピーに楽しく過ごせるかっていうのは、病院に行っただけでは絶対わからないので。こういう機会をもらって、本当に感謝しています。本当にやりがいがあるし、いろんなことを学べるし。それが病院の治療にフィードバックするんですよね。必ず」