北海道出身で東北大学に通う男子学生が2025年3月、震災で被災した人への聞き取りをもとに東松島市で「現地ガイド」に挑戦しました。大学のボランティアサークルを3つも掛け持ちしているこの大学生。情熱をもって活動する原点には幼少期の「ある経験」がありました。
震災経験していない大学生が被災地で「現地ガイド」
後藤優太さん:
「3月11日、あの日も多くの住民が車で避難しようとした。ここでガソリンを入れるため、ガソリンスタンドには長蛇の列ができていた」

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市大曲浜地区。北海道出身の東北大2年・後藤優太さんが話しているのは、被災者から聞き取ったあの日のエピソードです。県外から研修に来た高校生たちが耳を傾けます。

後藤優太さん:
「顔なじみの客を置いて逃げることはできなかったのか、店員は給油作業を続けて、そのうちに津波が来て亡くなってしまった。津波から逃げずに、ここで待ち続けていることがいかに危険かを知っている私たちなら、『ここにずっと並んでいてはだめだ、早く逃げなければいけない』と言うことができたかもしれない」