――AIバブルは崩壊しかけているのか。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
バブル崩壊しかけていると考える。市場関係者の見方は分かれている。企業のAI活用やデータセンターの需要は増えているが、市場が期待したほどの伸びにはならない可能性がある。これがAIバブルの崩壊。期待が高まりすぎた状態が軌道修正を迫られている。半分ほど崩壊したとも言えるが、残り半分がこれから来る可能性もある。いつ起きてもおかしくない状況である。S&P500やナスダックでは、年明けに史上最高値を付けた後、S&P500が10%、ナスダックが13%下落した。さらに10%から15%の下落余地がある。

――エヌビディアやテスラも下落している。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
エヌビディアは成長が鈍化し、市場がそれを嫌気している。鈍化を市場がどう見るか。ライバル出現よりも、エヌビディアのGPUを必要としないAIの研究が脅威である。ディープシークなどが該当する可能性があるが、評価は分かれている。いずれにしてもエヌビディアの評価は下がってきている。テスラは大統領選後に2倍近く上昇したが、その後、元の水準に戻った。マスク氏の不買運動や政治的影響が背景にある。マスク氏のAIの会社「XAI」が「X」を買収。マスク氏の企業がデータを統合する動きは、興味深いが、恐ろしいことが起きる可能性もある。