■風車は悪くない「無理なところに計画する人が悪いんです」

件数が増えたのは、2018年に、県が風力発電の適地を示した「ゾーニングマップ」を公開して以来です。現在手続きが進む16件は、ほとんどがこのゾーニングマップにより風力発電の適地とされた場所でした。そして16件の事業のうち少なくとも半数以上の9件で、県や市町村に反対の要望書が提出されています。


気仙沼市民の森風力発電所 関口温社長:
「宮城県に風車がなかなか導入が進まないので、呼び水にするために作ったんでしょうけども、とにかく縄張り合戦のように、ほとんどマップ上に皆さんいらっしゃいましたよね。そういう部分でどうしても細かく丁寧に計画しているって言う感じには見えない」


県がゾーニングマップを公表する1年前から事業を始めていた気仙沼市民の森風力発電所の関口さん。環境アセスメント中に説明会を4回開き、チラシを配るなどして事前の広報に努めました。風力発電事業を進めるためには、予定地の環境価値の調査と住民への丁寧な説明が不可欠だと話します。

気仙沼市民の森風力発電所 関口温社長:
「別に風車が悪いんじゃないんですね。無理なところに計画する人が悪いんです。ぜひ節度を持った計画と言うものをしていただきたい。

風車がどんどん悪者になってね、困りますですね」


県内各地で風力発電を巡る摩擦が生じ、今年7月に県はゾーニングマップを非公開としています。そして9月、村井知事は森林を切り拓いて作る再エネ施設に対し新税を導入する考えを示しました。