宮城県内ではここ最近、風力発電の建設計画を巡る摩擦が各地で起きています。CO2削減のために世界的に推進されているはずの再生可能エネルギー事業が、なぜ地元からの反発を受けてしまうのでしょうか?
■気仙沼の風力発電の場合は…「ひっそりと発電する宿命にあります」
気仙沼市中心部から西に車を走らせることおよそ30分。山道を抜けると…。

現れたのは、巨大な風車、プロペラを合わせた高さはおよそ120メートルです。近付くと、飛行機のような風切り音が聞こえました。

県内に2か所ある風力発電所のひとつ、「気仙沼市民の森風力発電所」です。4基ある風車が1年間稼働すると、一般家庭4000世帯の1年分の電力を発電することが出来ます。

気仙沼市民の森風力発電所 関口温社長:
「風力発電機って結構音がします。風切り音」

気仙沼市で建設業を営む関口温さんは、2017年からこの風力発電所の運営を始めました。
気仙沼市民の森風力発電所 関口温社長:
「近くを工事していた時に、風が良いと言うのを肌で感じたものですから。ここに風車を建てたいという気持ちになりました」

建設にあたり、地元に住む関口さんは、周囲に迷惑を掛けることだけは避けたいと考えました。実際に気仙沼市中心部からこの発電所を眺めると…。
阿部航介記者:
「山の上にプロペラが見えてきました。気仙沼市中心部からは遠く、小さく見えます」
市中心部から発電所までの距離はおよそ15キロ。4基の風車のうち、見えるのは1基のみです。


気仙沼市民の森風力発電所 関口温社長:
「風車好きな人もいますけど、嫌いな人もいます。やっぱりご覧のようにうるさいです。風車ってそういうものですから、なるべく人里離れて、ひっそりと風を受けて発電する宿命にありますので」


しかし、ここ最近、県内では風力発電の計画が増え、各地で摩擦が起きています。