飛行機内が乾燥するのはなぜ?

 機内の湿度が低いのは、「あえてそうしているから」です。その理由は、ずばり「結露」を防ぐためです。冬の寒い時期に結露で部屋の窓がびしょ濡れになったことはありませんか?

 飛行機は-50℃程度の上空を飛んでいるため、飛行機内の湿度を上げると結露が発生してしまうのです。一般的な飛行機は総重量の約70%がアルミニウム合金という金属でつくられています。結露によって出てきた水滴が機体の内部に溜まってしまうと、飛行機の金属部分が腐食し、サビが発生してしまうおそれがあります。金属が錆びると強度が弱まり、安全面での問題が生じてしまいます。そのため、飛行機の中はあえて湿度を低くしているのです。

 ただ実は、湿度をこれまでよりも高く保つことができる飛行機も出てきています。例えばボーイング787型機という機材は炭素繊維強化プラスチックという腐食やサビへの耐性が強い材料が使われているため、これまでよりも機内の湿度を上げることができるのです。それでも機内の湿度は20%程度と乾燥しています。